ご家族が亡くなった後、動画配信や音楽配信、スマートフォンのアプリ課金、通販サイトの有料会員といった継続課金は、死亡届を出しても自動的には止まりません。役所への届出と、民間のサービス会社との契約は、まったく別のものだからです。葬儀が終わって少し落ち着いたころに「毎月の支払いが続くのが怖い」とご相談をいただくことが、本当に増えました。
先に結論を申し上げます。最初にすることは解約ではなく、洗い出しです。故人のスマートフォン、メール、クレジットカードの利用明細、銀行口座の引き落とし履歴、郵便物。この五か所を確認して、毎月あるいは毎年お金が出ている契約を、一枚の紙に書き出してください。そして書き出しが終わるまで、クレジットカードの解約や携帯電話の解約は急がないでいただきたいのです。支払い元を先に止めてしまうと、どこと契約していたのかを確かめる手がかりが消えてしまい、あとから請求や督促だけが届く、ということが起こります。
目次
誰が、いつ、どこへ連絡するのか
まず「誰が」ですが、相続人の中から窓口役をひとり決めてください。複数の方がばらばらに連絡すると、解約済みなのか手続き中なのか分からなくなります。ただし作業まで一人で背負う必要はありません。洗い出しは分担できます。
「いつ」は、葬儀後一〜二週間で洗い出し、四十九日のころまでに解約を進める、というくらいの目安で十分です。ただし金額の大きい年額プランや、次回の更新日が近いものだけは先に手を付けてください。
「どこへ」は、クレジットカード会社、携帯電話会社、各サービスの会員窓口やサポートセンター、金融機関、そして必要に応じて専門家です。全体の流れは葬儀後の手続きのページにもまとめています。
- 洗い出し(葬儀後一〜二週間)…スマホ、メール、カード明細、通帳、郵便物
- 記録(洗い出しと同時に)…サービス名、ID、契約者名、支払い方法、次回請求日
- 解約(四十九日ごろまで)…金額の大きいもの、更新日の近いものから
- 最終確認(一〜二か月後)…カード明細と通帳に、まだ請求が残っていないか
死亡届を出しても、契約は止まりません
意外に思われるかもしれませんが、死亡届は戸籍と火葬許可のための届出であって、その情報が民間のサービス会社に自動で伝わるわけではありません。相手の会社は亡くなったことを知らないので、規約どおりに毎月の課金を続けます。つまり、こちらから連絡しない限り止まらない、と考えていただくのが正確です。
まず、この五か所を見てください
- 故人のスマートフォン…アプリストアの「定期購入」「サブスクリプション」の一覧に、契約中のものがまとまって表示されます
- メール…「ご請求」「領収書」「更新」「お支払い」といった言葉で検索すると、契約先が一覧で出てきます
- クレジットカードの利用明細…同じ金額が毎月同じ日に出ていれば、それが継続課金です
- 銀行口座の入出金明細・通帳の摘要欄…口座振替のものはここでしか分かりません
- 郵便物…請求書、会員誌、更新の案内。数か月分をまとめて確認します
「遠方で何度も行けない」という方は、明細と通帳だけでも先に写真に撮って共有してもらうと、離れていても作業を進められます。
止める前に、必ず控えておきたいこと
解約すると、そのサービスの中にあるデータは戻らないことがほとんどです。特にスマートフォンまわりは、解約してから「しまった」となりやすいところです。
- 写真、動画、クラウドに保存されたデータ
- 連絡先(葬儀後のご挨拶や、年賀状じまいのご案内に使います)
- 二段階認証の受け取り先になっている電話番号やメールアドレス
- 各サービスの会員番号、ID、契約者名義
- 次回の請求日と請求金額
携帯電話を先に解約してしまうと、認証の番号が受け取れなくなり、他のサービスの解約手続きまで止まってしまうことがあります。順番として、携帯は後ろのほうに置いてください。詳しくは故人のスマホとSNSの手続きにまとめています。
解約の順番を間違えないために
よくある思い違いが、「カードを止めれば全部止まる」というものです。カード会社に連絡すれば請求は止められますが、サービス会社との契約そのものが自動で解約されるとは限りません。未払いとして扱われたり、別の支払い方法への変更を求められたり、後日あらためて請求が来ることもあります。
- 各サービスの窓口へ解約を申し出る(ここが本体です)
- クレジットカードの解約を連絡する
- 携帯電話・通信回線を解約する
- 口座の手続きをする
また、銀行口座の凍結を先に行うと、口座振替になっている分が引き落とせなくなり、こちらも未払いの扱いになります。振替になっている契約は、口座の手続きより前に片づけておくのが安全です。
見落とされやすい継続課金の例
- 動画配信、音楽配信、電子書籍の読み放題
- スマートフォンのアプリ内課金、年額プラン
- 通販サイトの有料会員、送料無料サービス
- クラウドの写真・データ保存
- 新聞や雑誌の電子版
- セキュリティソフト、パソコンのサポート契約
- オンラインサロン、有料メールマガジン
- 保険に付帯している会員サービス
- ウォーターサーバー、健康食品などの定期購入
あわせて、NHKの受信料と、固定電話・インターネット回線もご確認ください。ご本人名義のまま残りやすく、金額も小さくありません。
IDやパスワードが分からないとき
「IDやパスワードが分からない」というお声は、本当に多くいただきます。まず申し上げたいのは、無理にログインを試みたり、ご本人になりすまして手続きをしたりすることは避けていただきたい、ということです。規約に反する場合があり、かえって話がこじれます。
手がかりは、先ほどの五か所にあります。それでも分からなければ、サービス会社に電話で事情を伝えてください。会員番号が分からなくても、氏名、住所、電話番号、カード番号の下四桁などから調べてもらえることがあります。ご遺族からの連絡であることを最初に伝えれば、多くの会社が専用の手順を案内してくれます。手続きに必要な書類も、その場で教えてもらえます。
相続放棄を考えている場合は、先に確認を
借金や連帯保証など、心配な事情があって相続放棄や限定承認を検討されている場合は、動き出す前に確認が必要です。解約の連絡そのものが直ちに問題になることは多くありませんが、故人の口座から支払いをする、返金や解約金を受け取る、残ったポイントや残高を使うといった行為は、財産を受け継いだと見なされる可能性があります。
相続放棄には期限もあります。判断に迷う段階でしたら、契約に手を付ける前に弁護士や司法書士にご相談ください。考え方の整理は相続放棄と支払いの解約にまとめていますが、最終的な判断は必ず専門家にご確認いただくようお願いします。
一人で抱えなくて大丈夫です
「何から手をつければいいかわからない」「一人で全部やるのが不安」。葬儀を終えたばかりのご遺族から、いちばんよく聞く言葉です。じっくり調べている余裕などない、というのが正直なところだと思います。
ですから、完璧を目指さないでください。まず洗い出して紙に書く。そこまでできれば、あとは一つずつ電話をかけるだけの作業になります。電話が必要なものと、パソコンやスマートフォンで完結するものを分けておけば、離れて暮らすご家族にも分担してもらえます。
大阪市旭区で、葬儀後のご相談も承ります
私ども大阪セレモニーは、千林大宮、森小路、関目高殿をはじめ大阪市旭区とその周辺で葬儀のお手伝いをしています。葬儀を終えたあとの手続きについても、どこに連絡すればよいかが分からないという段階からご相談いただけます。
公的な給付である葬祭費・埋葬料の申請や、家族葬のご相談もあわせて承ります。なお、契約や税金、相続に関わる最終的な判断は、カード会社、携帯電話会社、各サービスの窓口、金融機関、そして専門家へご確認ください。私どもは、その前段階の整理をお手伝いする立場です。
お困りのことがありましたら、事前相談・お問い合わせよりお気軽にご連絡ください。まだ何も決まっていない状態でも構いません。順番さえ分かれば、必ず片づいていきます。