親御さまが亡くなった後に、介護施設の利用料や訪問介護、デイサービス、福祉用具のレンタル代などの請求書が届くことがあります。結論から申し上げると、届いた請求をその場で立て替えて支払う前に、「亡くなった日より前の分か後の分か」「誰の名義の契約か」「どの財布から払うのか」を確認するのが安全です。金額の大小にかかわらず、相続放棄を検討される可能性が少しでもあるご家庭では、支払う前に一度立ち止まっていただきたいところです。
大阪市旭区の中宮や赤川のご家庭でも、葬儀が終わって数日から一か月ほど経った頃に「まだ手続きが残っていた」と気づかれる方は珍しくありません。「なにから手をつければいいか分かりません」というご相談は本当に多く、段取りが悪いのではなく、亡くなった後の手続きがそもそも一度に押し寄せる仕組みになっているだけです。
目次
支払う前に確認したい四つのこと
請求書を開いたら、まず次の四点を紙にメモしてみてください。ここが整理できるだけで、対応の見通しがずいぶん立ちやすくなります。
- 利用期間が亡くなった日より前か後か(ご逝去日をまたいでいることもあります)
- 契約者・請求先の名義が、亡くなった方本人か、ご家族か
- 支払い方法が、口座引落・クレジットカード・振込用紙のどれか
- その請求が一回きりのものか、毎月続く継続課金か
亡くなった日より前の利用分は、一般的には亡くなった方が負っていた債務として扱われます。ここが相続放棄の判断と関わってくるため、一番先に確認しておきたい部分です。
請求が届いたときに確認する順番
1. 郵便物と請求書を一か所に集める
ばらばらに届く請求書を、まず封筒ごと一つの箱にまとめてください。開封していないものも捨てずに残します。介護関係だけでなく、公共料金、新聞、通信販売、サブスクリプションの案内が混ざっていることも多く、全体量が見えると「不足の手続きが残っていたらどうしよう」という不安がかなり和らぎます。亡くなった後に届く郵便物・通知の確認方法もあわせてご覧ください。
2. 亡くなった日を境に分ける
集めた請求を、ご逝去日より前の利用分と後の分に分けます。施設の場合、月の途中でお亡くなりになると、居室料や管理費が日割りになるのか、退去日まで発生するのかが契約書によって異なります。ここは想像で判断せず、施設の相談員やケアマネジャーに契約書のどの条項に基づく請求かを尋ねるのが確実です。
3. 口座とクレジットカードの状態を確認する
介護サービスの多くは口座引落やカード払いです。金融機関が死亡を把握すると口座は凍結され、引落が止まって未納通知が届く、という流れになりがちです。逆に、まだ凍結されていない口座からは引落が続いてしまいます。どちらの状態なのかを把握しておくと、後の説明がしやすくなります。銀行口座の凍結についてと継続課金・引き落としの確認で、順序を整理しています。
4. 事業所へ死亡の連絡と契約終了の相談をする
デイサービス、訪問介護、福祉用具の貸与事業所へは、それぞれ個別に連絡が必要です。担当のケアマネジャーがいらっしゃる場合は、まずその方に伝えると、関係する事業所へ話が回りやすくなります。福祉用具は返却の日程調整が要りますので、早めのご連絡をおすすめします。
介護保険証の返却とサービス停止の窓口
介護保険の被保険者証は、お住まいの区の窓口へ返却します。大阪市旭区にお住まいだった方であれば旭区役所の担当窓口が入口になり、負担限度額認定証などをお持ちの場合はあわせて返すことになります。介護保険料についても、亡くなった月までの精算で不足や還付が生じることがあり、後日通知が届きます。
手続きの流れは介護保険証の返却と介護サービス停止の手順にまとめています。制度の運用や必要書類は改定されることがありますので、最終的な確認は必ず区の窓口や担当の事業所へお願いします。
相続放棄を考えるなら、支払う前に立ち止まる
借入や連帯保証があるなど、相続放棄を検討される場合には注意が必要です。亡くなった方の預貯金から未払いの介護費用を支払う行為が、相続財産の処分とみなされる可能性があると説明されることがあります。そうなると放棄が認められにくくなる恐れがあるため、判断がつかないうちは急いで支払わないほうが無難です。
- 亡くなった方の口座から引き出して支払う
- 手元の現金や貴金属を処分して費用に充てる
- 家財や車を売却する、譲る
こうした行為は慎重に扱われます。一方で、事業所へ「相続について検討中のため、支払いの時期を相談させてください」と伝えること自体は、状況整理として必要になることがあります。実際の可否や期限はご事情ごとに変わりますので、司法書士や弁護士などの専門家にご確認ください。考え方の整理には相続放棄を考えるときの支払い・解約が参考になります。
施設の退去・家財整理は、請求の整理と分けて進める
施設からは、居室の明け渡しや残された荷物の引き取りを求められることがあります。請求の支払いと退去の作業はつい一緒に考えてしまいがちですが、荷物の持ち出しや処分は財産の扱いに触れる場面ですので、相続の方針が固まるまでは「保管しておく」という選択も検討に値します。
まずは退去期限を確認し、期限の延長が可能かを施設へ相談してください。賃貸住宅にお住まいだった場合は解約や原状回復の話も重なります。高殿や中宮でも、お一人暮らしだった親御さまのお部屋をどう扱うかで迷われる方が多く、一人暮らしだった親の賃貸整理で流れをご紹介しています。
疎遠だった親御さまの請求が届いた場合
長く連絡を取っていなかった親御さまについて、施設や事業所から突然の連絡と請求が届くこともあります。事情がわからないまま支払いを求められると戸惑うものですが、この場合こそ支払いを急がず、契約内容と債務の全体像を先に確かめることが大切です。疎遠な親の死亡連絡を受け取ったときに、初動の考え方を書いています。
「相談する所がない」「一人では不安」というときに
ご家族が少なく、身近に聞ける相手がいないまま書類と向き合っておられる方は、旭区でも本当に多くいらっしゃいます。ひとつずつ順番に片づければ必ず終わる作業ですが、その順番を教えてくれる人がいないだけで、途方もなく大きな山に見えてしまいます。
私どもは葬儀のお手伝いをする立場ですので、法律上の判断や税の計算を代わりに行うことはできません。それでも、届いた書類を一緒に並べて「これは急ぐもの」「これは相続の方針が決まってからでよいもの」と仕分けするお手伝いはできます。必要に応じて専門家をご紹介することもできますので、抱え込まずにお声がけください。全体像は葬儀後の手続き一覧にまとめています。
まとめ
- 請求はすぐに立て替えず、逝去日の前後・名義・支払い方法を先に確認する
- 介護保険証の返却とサービス停止は、区の窓口とケアマネジャー・各事業所へ
- 相続放棄の可能性があるなら、亡くなった方の財産に手をつけない
- 退去や家財整理は期限を確認し、支払いの判断と切り離して進める
大阪市旭区での葬儀やその後の手続きについては旭区の葬儀相談をご覧ください。ご不明な点は事前相談・お問い合わせから、どうぞお気軽にご連絡ください。