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疎遠な親が亡くなったと連絡が来た時|葬儀に行くか・喪主・費用負担の判断

疎遠な親が亡くなったと連絡が来た時|葬儀に行くか・喪主・費用負担の判断

「長く連絡を取っていなかった親が亡くなった」と、ある日突然電話が入る。ご相談の場でそう切り出される方は、決して少なくありません。頭が真っ白なまま「どうされますか」と返事を求められ、その場で答えを出してしまいそうになる。結論から申し上げます。その電話の時点で、今すぐ決めなければならないことは、実はほとんどありません。まず確かめるのは、連絡してきたのが誰か、今どこにご安置されているのか、葬儀の日程はどうなっているのか、喪主は誰になるのか、費用はどこから出るのか。この五つです。そのうえで「葬儀に行くか」「喪主になるか」「費用を払うか」「相続するか」を、一つずつ別の問題として考えてください。この四つを混ぜて考えるから、苦しくなります。

最初の電話で確認しておきたいこと

連絡が来た直後は、相手がどういう立場の方なのかさえ分からないことがあります。故人が入所していた施設の職員の方、賃貸住宅の管理会社、警察、行き来のなかった別の親族、あるいは先に手配された葬儀社。立場によって、その後の話の進み方はまったく違います。ですから返事をする前に、次の点をメモに取ってください。電話口で全部そろわなくても構いません。分かる範囲で書き出すだけで、今判断できることと、まだ判断できないことの境目が見えてきます。

  • 連絡してきた方のお名前、立場、折り返しの連絡先
  • ご逝去の日時と、今どこにご安置されているか
  • すでに葬儀社が入っているか。入っているなら会社名と担当者名
  • 火葬や葬儀の日程が、仮であっても決まっているか
  • ほかに連絡が回っているご親族がいるか。いるならどなたか
  • 死亡届を誰が提出する予定になっているか

とくに安置場所と日程は、その後のすべての判断の土台になります。ご遺体をお預かりしている先にはそれぞれ事情があり、そこだけは待ってくれません。死亡届と火葬許可証の流れは死亡届と火葬許可証の手続きにまとめていますので、全体像を先につかんでおくと、落ち着いて話ができます。

「葬儀に行くべきか分からない」というお気持ちについて

ご相談で一番多くうかがうのが、この迷いです。長く会っていない、仲も良くなかった、今さら顔を出してよいのか。申し上げると、参列するかどうかに、正解も義務もありません。行かなかったからといって、その後の手続きで不利になることもありません。参列することと、喪主を務めることと、費用を出すことは、それぞれ別の話です。

判断の材料としては、こんな見方があります。行かない選択をしたとき、後日ご自身の気持ちがどう動きそうか。行ったとき、顔を合わせたくない方と同席することになるのか。遠方であれば移動の負担はどうか。ご家庭やお仕事の事情で、おおっぴらに動くことが難しい方もいらっしゃいます。その場合は葬儀には参列せず、後日ご自身のペースで手を合わせに行くという形も十分に成り立ちます。

参列はしないけれど手続きだけは引き受ける、という関わり方もできます。逆に、葬儀には出るけれど喪主は別の方にお願いする、ということもできます。「全部やるか、何もしないか」の二択ではありません。

喪主を頼まれたら断れるのか

喪主は、法律で誰が務めると決められた役割ではありません。慣習として配偶者やお子様が務めることが多いというだけで、順番が定められているわけではないのが一般的です。ですから、お引き受けにならないという選択もできます。ただし、どなたも務め手がいなければ話は止まってしまいますので、お断りになる場合は「代わりにどなたが務めるのか」まで一緒に考えていただく必要があります。

ここで切り分けていただきたいのが、喪主と、葬儀社との契約者は必ずしも同じではないという点です。喪主を引き受けることと、費用の支払い名義になることは、分けて相談できます。私どもも、ご事情のあるご家族では「喪主はお子様、費用のお支払いはご兄弟」といった形でお手伝いすることがあります。誰の名前で契約するのかは、口頭で済ませず必ず書面でご確認ください。

親一人、子一人で、ほかに頼れる方がいないというご相談も多くいただきます。その場合は、規模を小さくして負担を抑える方法があります。ごく近い方だけでお見送りする家族葬や、通夜と葬儀を行わず火葬のみでお送りする火葬式・直葬であれば、ご準備の負担も費用も抑えられます。関係が近くなかったからこそ簡素にお送りする、という判断は、決して薄情なことではありません。

費用を払う責任があるのか不安なとき

葬儀の費用は、原則として葬儀社と契約した方への請求です。亡くなった方のお子様であるという理由だけで、自動的に支払い義務が生じるわけではないと考えられています。まだ何も契約していない段階で「お子さんなのだから」と言われても、その場でご承諾になる必要はありません。まずは見積書を出してもらい、誰が契約者になるのかを確認してからで間に合います。

一方で、気をつけていただきたいこともあります。故人の預貯金は、金融機関が死亡を把握した時点で凍結されます。ご自身の手元のお金から立て替える形になりやすく、後から必ず回収できるとは限りません。また、故人の財産を使って支払いをしたことが、相続の場面で不利にはたらく可能性も指摘されています。相続放棄をお考えの場合は、支払う前に司法書士や弁護士へご確認ください。この点は相続放棄と支払い・解約の考え方で触れています。

負担を軽くする制度もあります。国民健康保険や後期高齢者医療制度からの葬祭費、健康保険からの埋葬料は、申請すれば受け取れることがあります。金額や申請先、期限は加入していた制度によって異なりますので、葬祭費と埋葬料をご覧のうえ、最終的にはお住まいの区役所や保険者へご確認ください。

相続するかどうかは、葬儀とは別の時計で動く

葬儀は数日で終わりますが、相続の判断はそこからです。疎遠だったご家族の場合、財産よりも先に気になるのは借金のことだと思います。実際に、故人に借入れが残っていた、他人の借金の連帯保証人になっていた、というご相談もあります。

相続放棄には期限があります。一般には、自分のために相続の開始があったことを知った時から三か月以内に家庭裁判所へ申述するとされています。ご事情によっては期間を延ばす申立てができる場合もありますが、放っておいて延びるものではありません。まずは何が残っているのかを調べるところから始めてください。借入れや保証の調べ方は借金・連帯保証の確認にまとめています。

葬儀に出る出ないと、相続を承認する放棄するは、直接結びつくものではありません。ただし故人の財産に手をつけると判断が難しくなる場合がありますので、通帳やご遺品を動かす前に一度ご相談いただくほうが安全です。

今さら親族にどう連絡すればいいのか

もう一つ重いのが、ほかのご親族への連絡です。何年も年賀状のやりとりしかない、住所しか分からない、相手がどう受け止めるか分からない。そういうときは、事実だけを短く伝えれば十分です。どなたが、いつ亡くなったのか。葬儀をどうする予定か。香典や供花をどうお考えか。この四点が伝われば、連絡としては足ります。長い事情の説明も、疎遠だったことへのお詫びも要りません。

連絡の順番や範囲の決め方は親が亡くなった直後の連絡順、長く行き来のなかった相手への伝え方は疎遠なご親族への死亡の連絡で具体的に触れています。ご自身から連絡しづらい相手がいる場合は、葬儀社から日程だけをお伝えする形にすることもできます。

一人で判断するのがつらいときは

こうした場面で一番おつらいのは、手続きの多さそのものよりも、誰に聞けばいいのか分からないまま、責任だけが自分に向かってくる感覚だと思います。大阪セレモニーは大阪市旭区で葬儀のお手伝いをしており、千林大宮や森小路、関目高殿の周辺にお住まいのご家族から、まさにこうしたご事情のご相談をいただくことがあります。私どもがお手伝いできるのは、うかがったお話を「今日決めること」「今週決めること」「後でよいこと」に分け、区役所に聞くこと、金融機関に聞くこと、司法書士や弁護士にご相談いただくことを、それぞれ切り分けてお示しすることです。

葬儀を終えた後の流れは葬儀後の手続きにまとめています。判断に迷われている段階でも、事前相談・お問い合わせからご連絡ください。ご葬儀をお任せいただくかどうかにかかわらず、ご相談は承っております。

最後に一つだけ。返事を保留にしても構いません。「一度持ち帰って考えます」とお伝えする権利は、どなたにもあります。一人で決めきらないことは、逃げではありません。

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