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【十人十色のお葬式】骨折顛末記 その2

手術後、一週間もたたないうちにみるみる治っていくのを実感した私は、現代の医療に驚きを隠せませんでした。そんな矢先のできごとです。

怪我をしたその日は丁度、合唱団の25周年記念コンサートのリハーサルと準備をしていた時でした。本番は手術後2日目で膝を固定していて、コンサートに行くことは不可能だとあきらめて病室から見守るつもりでいました。

ところが、合唱団の仲間がお見舞いに病室にきてくれて「愛ちゃん、コンサート見にきて」と言うのです。私は「この足で行くのは難しい、有り得ない」と思っていましたが、息子は「行ける行ける」と言い、担当医まで外出の許可をくれたのです。皆に背中を押され、すっかりスイッチが入った私は足の痛みを抱えたまま車椅子に乗り、息子夫婦に用意してもらった服に着替え、前向きな気持ちでコンサート会場へ向かいました。

団員と一緒に舞台上には立てませんでしたが、客席から同じ空間を共有することができました。お客様と出演者で1000人を超えるコンサートは、達成感と大感動のうちに終演を迎えました。

何事にも共通していることですが、やるべきことは、直前まで準備を怠らず、そして見えない部分の交通整理をすることだと思っています。

入院した日々の中で、たくさんのことを思い、考えました。少しは休養できるかと思いましたが、そんなことはありません。

今は退院したので、お気軽にお声がけください。お電話もお待ちしています。

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