大阪市旭区でお母さまやお父さまを看取られたあと、「入院や治療にかかった医療費は、もうどうにもならないのだろうか」と気になっている方は少なくありません。実際には、亡くなった後であっても、高額療養費や医療費の払い戻しを受けられる場合があります。まずは、故人が加入していた健康保険の種類と、手元に届いている通知・領収書を確認するところから始めてみてください。
高額療養費は、ひと月の医療費の自己負担が一定額を超えたときに、超えた分が払い戻される制度です。故人が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合、大阪市から支給の案内が郵送で届くことがあります。会社の健康保険に加入していた方であれば、加入していた健康保険組合や協会けんぽが窓口になります。どこに問い合わせればよいかは、保険証や通知の差出人を見れば手がかりがつかめます。
ただし、対象になるかどうか、いくら戻るのか、いつまでに手続きが必要かは、加入していた保険や受診した月の状況によって変わります。この記事では具体的な金額や期限を言い切るのではなく、ご家族が何を確認し、どこに連絡すればよいかの道筋を整理してご案内します。ご葬儀を終えて気持ちが少し落ち着いてから、ひとつずつ進めていただければ十分です。
目次
亡くなった後でも高額療養費は請求できることがあります
ご遺族から「入院費がずいぶんかかったのですが、もう何もできないのでしょうか」とご相談をいただくことがあります。医療費の自己負担がひと月の上限額を超えていれば、超えた分について払い戻しを受けられる場合があり、ご本人が亡くなられたことで権利そのものが当然に消えるわけではありません。
この場合、請求されるのは相続人にあたるご家族です。配偶者の方やお子さんが代表して手続きされることが多く、申請書にご自身の名前と口座を記入し、故人との関係がわかる書類を添えて提出する流れが一般的です。亡くなられた方の口座は凍結されていることが多いため、振込先はご遺族の口座を指定するよう案内されることがほとんどです。
中宮や生江のあたりでも、ご家族が長く入院されていたお宅から、この話を後になって知ったというお声を伺います。ご葬儀のあとは気持ちの整理も追いつかない時期ですが、あとで思い出したときに慌てずに済むよう、頭の片隅に置いておいていただければと思います。
なお、払い戻しの対象になるのは保険診療の自己負担分です。差額ベッド代や入院中の食事代、テレビカード代、おむつ代などは一般的には対象外とされています。請求書の合計額がそのまま戻ってくるわけではない、という点だけは先にご承知おきください。
まず確認するのは親がどの健康保険に入っていたか
手続きの入り口は、お父様・お母様がどの健康保険に加入されていたかを確かめることです。申請先も書式も、加入先によって変わってきます。
- 75歳以上の方:後期高齢者医療制度。窓口は区役所の保険年金担当です。
- 74歳までで国民健康保険の方:大阪市の国民健康保険。こちらも区役所が窓口になります。
- お勤めを続けておられた方、ご家族の扶養に入っていた方:協会けんぽ、健康保険組合、共済組合など。勤務先や加入先の保険者へ連絡します。
判断の手がかりになるのは、手元に残っている保険証や資格確認書です。表面に「後期高齢者医療」「大阪市」「○○健康保険組合」といった保険者名が書かれていますので、返却してしまう前に、名称と記号番号を控えるか写真を撮っておかれると後が楽になります。葬儀後に必要な手続き全体については、大阪市旭区で葬儀後に必要な手続きで詳しくご説明しています。
年度の途中で75歳の誕生日を迎えられた方や、退職して国保に切り替えられた方は、同じ年のうちに加入先が変わっていることがあります。この場合、医療費は加入先ごとに分けて計算されるのが一般的ですので、それぞれの保険者に確認しておくと安心です。ご不明なときは、旭区役所の保険年金担当へ保険証や通知を持って相談されるのが確実です。
あわせて、区役所でどこまでの手続きが済むのかは旭区役所で死亡後の手続きはどこまで終わるかにまとめました。一度で回れるよう、事前に目を通していただければと思います。
申請期限は2年が目安、ただし起算日に注意
高額療養費の請求には期限があり、2年が目安とされています。ここで気をつけていただきたいのが「いつから数えて2年なのか」という点です。
原則は、診療を受けた月の翌月1日から数えると案内されることが多いようです。病院への支払いが後になった場合には、自己負担分を実際に支払った日の翌日から数えるという取り扱いもあります。ご逝去の日から一律に数えるとは限りませんので、そこを取り違えないようご注意ください。
また、この期限は診療月ごとに一か月単位で進んでいきます。長く入院されていた場合、古い月の分から順に期限を迎えていくことになります。「まとめて一度に」とお考えのうちに、初めのころの月だけ間に合わなかった、というお話も耳にします。
相続の話し合いが続いているご家庭では、この2年は思っているより早く過ぎていきます。遺産分割の結論を待たずに申請を進められる場合もありますので、まずは保険者に相談だけでもされておくと安心です。細かい取り扱いは制度や保険者によって差がありますので、ご自身のケースで何日が起算日になるかは、窓口でご確認ください。
支給申請書や通知が届いていないか確認する
大阪市の国民健康保険や後期高齢者医療制度では、該当する方に高額療養費の支給申請書や支給のお知らせが郵送で届くことがあります。診療を受けた月から数か月遅れて届くことが多く、亡くなられた後にご自宅へ届くことも珍しくありません。
ご葬儀の前後は郵便物が一気に増える時期です。次のようなものが混ざっていないか、時間のあるときに一度見返してみてください。
- 区役所や大阪府後期高齢者医療広域連合から届いた封書
- 健康保険組合・協会けんぽからの支給決定通知や申請案内
- 病院からの領収書、明細書
- 介護保険の負担額に関する通知
お住まいを引き払われた場合や、施設に入っておられて住民票と実際のお住まいが違っていた場合は、通知がご遺族の手元に届かないことがあります。通知が来ないから対象外とは限りませんので、心当たりがあれば保険者に問い合わせてみてください。
申請の際は、故人の保険証の情報、相続人であることがわかる戸籍関係の書類、振込先口座、印鑑、来られる方の本人確認書類などを求められることが多いです。必要書類は保険者ごとに違いますので、旭区役所へ行かれる前に電話で確認しておくと、あらためて出向く手間を防げます。
誰が請求し、どこに振り込まれるのか
高額療養費や医療費の払い戻しは、亡くなった方ご本人の口座が凍結されていることが多く、そのままでは受け取れないのが通常です。そこで、相続人の代表の方が請求し、その方の口座で受け取る形になるのが一般的です。
どなたが代表になるかは、ご家族で相談して決めていただいて構いませんが、保険者によって必要な書類や様式が違います。おおむね次のようなものを求められると考えておくと、準備がしやすくなります。
- 被保険者の死亡が分かる書類
- 請求する方と故人との関係が分かる書類
- 振込先口座が分かるもの
- ほかの相続人がいる場合の同意書や委任状
特にほかの相続人の同意書は、後からご親族の間で行き違いが起きないための書類でもあります。ご兄弟が遠方にお住まいの場合は、書類のやり取りに時間がかかりますので、早めに一報を入れておかれると落ち着いて進められます。
ご葬儀のあとに、「支給決定通知が実家に届いたが、誰が受け取るのか分からない」とご相談をいただくこともあります。通知は請求前に届く案内であることも多いので、封を開けて内容を確かめ、分からなければ通知に書かれた保険者の窓口に問い合わせるのが確実です。具体的な要件や様式は保険者にご確認ください。
なお、相続放棄を検討されている場合、払い戻しを受け取る行為がどう扱われるかは慎重に考える必要があります。判断に迷うときは受け取る前に、葬儀後に必要な手続きの流れもあわせてご覧いただき、弁護士や司法書士にご相談ください。
介護保険の負担分も確認する
医療費の払い戻しを調べていると、介護保険のほうにも似た仕組みがあることに気づかれると思います。介護サービスの自己負担が一定額を超えた場合に払い戻される高額介護サービス費です。こちらも未支給分が残っていれば、相続人の方が請求できる場合があります。
さらに、医療と介護の両方を長く使っておられた方の場合は、年間の合計額で判定する仕組みもあります。病院と施設、あるいは在宅サービスを併用されていたご家庭では、確認しておく価値があります。
- 介護保険の自己負担分に払い戻しの対象がないか
- 介護保険料に納めすぎや未納がないか
- 利用していた事業所への連絡と、最終月の請求
介護保険料は、月の途中で亡くなられた場合に精算が生じ、還付になることも追加の納付になることもあります。どちらになるかは納め方や時期によって変わりますので、区役所からの通知でご確認ください。
この一連の流れは、介護保険証の返却手続きと同じ窓口でまとめて聞けることが多いです。返却の段取りとあわせて確認したい方は、介護保険証の返却の記事で全体の順番を確かめてから窓口へ行かれると、話がまとまりやすくなります。
葬祭費・埋葬料とは別制度として考える
ここで混乱しやすいのが、葬祭費や埋葬料との違いです。ご遺族から「区役所で葬祭費の申請をしたので、医療費のほうも済んでいますよね」と聞かれることがありますが、これらは別の制度で、別の申請です。
- 高額療養費・医療費の払い戻し:亡くなった方が支払った医療費が戻るもの
- 葬祭費・埋葬料:葬儀を行った方に対して支給されるもの
請求する人も、必要な書類も、期限の数え方も違います。同じ窓口で受け付けている場合もありますが、片方の手続きをしたからといって、もう片方が自動的に処理されるとは限りません。窓口では「葬祭費のほかに、医療費で戻るものはありませんか」と、ひと言添えて確認していただくのが確実です。
加入していた保険が国民健康保険・後期高齢者医療なのか、協会けんぽや健康保険組合なのかで、名称も支給の内容も変わります。違いを整理してから窓口に向かいたい方は、埋葬料と葬祭費の違いを先にご覧いただくと分かりやすいと思います。
準確定申告と医療費控除は専門家に確認する
もう一つ、忘れられがちなのが税金の話です。亡くなった方に一定の所得があった場合、相続人の方が代わりに行う準確定申告が必要になることがあります。期限は相続の開始を知った日から数えるとされ、通常の確定申告より短い期間が設けられていますので、該当しそうなときは早めにご相談ください。
医療費控除についても、注意していただきたい点があります。
- 亡くなるまでに支払った医療費と、亡くなった後にご遺族が支払った医療費では、扱いが変わることがある
- 高額療養費などで払い戻しを受けた分は、控除の計算から差し引くよう案内されることがある
- 生計を一にしていたご家族が、自身の申告で控除できる場合もある
この分野は、ご家庭の事情や支払いのタイミングで結論が変わります。私どもは葬儀社ですので、税務の判断そのものはお伝えできません。金額や期限、控除の可否は、税務署か税理士にご確認ください。領収書と、保険者から届いた支給決定通知をまとめて保管しておくと、ご相談がとても早く進みます。
「どこまでが区役所で、どこからが税務署や専門家なのか」が分かりにくいときは、葬儀前後に必要な手続きの流れを目安にしてください。旭区役所の窓口でも、担当が違う話は案内先を教えてもらえます。慌てずに、一つずつ確認していけば大丈夫です。
まとめ|医療費の払い戻しは葬儀後に落ち着いて確認する
大切な方を看取られた直後は、通夜・葬儀の準備や親族への連絡が続き、医療費のことまで気が回らないのが自然です。私どもが今市や赤川のあたりでお手伝いしているご家庭でも、払い戻しの話が出てくるのはたいていご葬儀を終えてしばらく経ってからです。急いで結論を出す必要はありませんので、まずは書類を一か所にまとめておくことをおすすめします。
あらためて、確認していただきたいのは次の点です。
- 故人が加入していた健康保険の種類
- 大阪市や健康保険組合から届いた高額療養費の支給に関する通知の有無
- 病院・薬局の領収書や明細書がそろっているか
- 相続人のうち、どなたが受け取りや手続きの窓口になるか
- 保険証・年金・公共料金など、他の手続きとあわせて整理できるか
そのうえで、対象になるかどうかや必要書類、申請できる期間については、加入していた保険者にご確認ください。同じ「医療費の払い戻し」でも、制度や受診月によって扱いが異なるため、この記事では金額や期限を言い切ることは避けています。窓口に電話される際は、保険証と通知、領収書を手元に置いておくと話が早く進みます。
大阪セレモニーでは、大阪市旭区を中心に葬儀のお手伝いをしてきた立場から、葬儀後に続く手続きの流れについてもご相談をお受けしています。「何から手をつければいいのか分からない」という段階でも構いません。ご不明な点は大阪セレモニーのお問い合わせページからお気軽にお寄せください。