大阪市旭区で親御さんを見送った後、印鑑まわりで手が止まる方はとても多いです。結論から申し上げます。亡くなった方の印鑑登録は、死亡届が受理されると区役所側で抹消され、その後は故人名義の印鑑証明書を取ることができません。そして相続の手続きで実際に必要になるのは、故人の実印ではなく、相続人ご自身の実印と印鑑証明書です。ですから「親の実印が見つからない」と家中を探し回る前に、ご自分と他の相続人が印鑑登録をしているかどうかを確認するほうが、手続きは確実に早く進みます。
千林大宮や森小路、関目高殿のあたりでも、葬儀が終わって少し落ち着いた頃に「引き出しから印鑑登録証というカードが出てきた」「実印を捨てていいのか分からない」といったご相談をいただきます。印鑑は通帳や保険証と違って毎日使うものではないぶん、どこにしまってあるかをご家族が知らないことがほとんどです。この記事では、葬儀社の立場から、印鑑登録証・実印・印鑑証明書の扱いを実務の順番で整理します。手続き全体の流れは葬儀後の手続きもあわせてご覧ください。
目次
故人の印鑑登録は死亡届の提出で抹消される
印鑑登録は、その市区町村に住民登録がある方を対象とした制度です。死亡届が出されると住民票が除かれるため、印鑑登録も原則として役所側で抹消されます。ご遺族が別途「廃止届」を出さなくても処理されるのが一般的です。つまり、亡くなった後に故人の印鑑証明書を取りに行っても発行されません。金融機関や役所から「印鑑証明をお持ちください」と言われて慌てる方がいらっしゃいますが、そこで求められているのは、ほぼ確実に相続人の分の印鑑証明書です。
死亡届と火葬許可証の流れは死亡届・火葬許可証に、住民票が除票になった後の扱いは住民票の除票にまとめています。除票や戸籍は相続手続きで何度も使いますので、印鑑証明の話とセットで枚数を考えておくと、区役所へ何度も足を運ばずに済みます。
印鑑登録証(カード)が出てきたときの扱い
財布や仏壇の引き出しから、印鑑登録証明書を発行するためのカードが出てくることがあります。多くの自治体では、死亡届の提出時か、後日の窓口手続きの際に返却をお願いされます。返却が遅れたことで罰則があるものではありませんが、そのまま手元に置いても使い道はありません。マイナンバーカードや健康保険証、介護保険証と一緒に「返却するもの」として一か所にまとめておくと、窓口で迷わずに済みます。
介護保険の被保険者証も返却が必要な書類のひとつです。返却先や期限は介護保険証の返却で確認してください。返す書類と、相続手続きのために手元へ残す書類を最初に分けておくことが、後の混乱を防ぎます。
親の実印が見つからないとき
「実印が見つからないので手続きが止まってしまう」と心配される方がいらっしゃいますが、亡くなった後の相続手続きで故人の実印を押す場面は基本的にありません。登録そのものが抹消されているため、仮に見つかったとしても実印としての効力は残っていないからです。見つからないことを理由に相続が進まなくなることはありませんので、探すことに何日もかけるより、先に相続人側の準備を進めてください。
ただし、銀行に届け出ている印鑑は別の話です。窓口によっては解約や払い戻しの際に確認を求められることがあります。とはいえ、相続の手続きは通常、戸籍と相続人の印鑑証明書、金融機関所定の書類で進みますので、印鑑が見つからない場合はその旨を正直に伝えれば大丈夫です。口座が凍結された後の流れは銀行口座の凍結を参考にしてください。
実印を捨てていいのか
ご相談で最も多いのがこの質問です。登録が抹消された以上、印鑑そのものは法律上ただの物になりますので、処分しても差し支えありません。ただ私どもがお伝えしているのは、相続の手続きが一通り終わるまでは、急いで捨てずに保管しておくということです。理由は二つあります。ひとつは、どの金融機関にどの印鑑を届け出ていたかが、現物を見て初めて分かる場合があること。もうひとつは、ご家族の中で「勝手に捨てた」と受け取られると、その後の話し合いに余計な影を落としてしまうことがあるからです。
処分される場合も、象牙や高価な素材のものが混じっていることがありますので、他の相続人に一声かけてからにしてください。彫られた面を削ってから処分する方、寺院や専門の業者で供養してもらう方、形見としてそのまま残す方、いずれもいらっしゃいます。正解が決まっているものではありませんので、ご家族が納得できる形で構いません。
相続で必要なのは「相続人」の印鑑証明書
遺産分割協議書を作る場合、相続人全員が実印を押し、それぞれの印鑑証明書を添えるのが一般的です。金融機関の相続手続きでも、不動産の相続登記でも、求められるのは相続人の印鑑証明書です。誰の分が何枚必要かは、相続人の人数と、手続きをする窓口の数で決まります。
- 相続人全員が印鑑登録をしているか、まず確認する
- 登録していない方は、住民登録のある市区町村で新たに登録する
- 遠方に住む相続人がいる場合は、早めに依頼して時間の余裕をつくる
- 金融機関ごとに必要枚数が違うため、事前に電話で確認する
- 不動産がある場合は、相続登記で使う分も見込んでおく
相続放棄を検討されている方は、書類に実印を押す前に必ず一度立ち止まってください。遺産分割の話し合いに加わったと受け取られる行為は、放棄の判断に影響する可能性があります。相続放棄と支払い・解約の考え方を確認したうえで、迷う部分は司法書士や弁護士へご相談ください。
区役所へ行く前に持ち物を確認する
ご自身が新たに印鑑登録をする場合は、住民登録のある市区町村の窓口で手続きします。旭区にお住まいなら旭区役所です。当日必要になるものはおおむね次のとおりですが、印鑑の大きさや書体には規格の条件があり、細かい取り扱いは自治体で異なります。出向く前に電話で確認しておくと二度手間になりません。
- 登録する印鑑(サイズや書体の条件があります)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証など)
- 代理人が行く場合は委任状と代理人の本人確認書類
- 手数料
代理人による申請では、後日照会書が郵送されるなど、その場で登録が完了しない取り扱いもあります。急ぎの場合ほど、ご本人が窓口へ行けるかどうかで日程が変わりますので、そこも含めて確認してください。マイナンバーカードをお持ちで暗証番号が分かる場合は、コンビニの端末で印鑑登録証明書を取得できる自治体もあります。平日に区役所へ行きにくい方は、この方法についても窓口で聞いてみてください。
印鑑証明書の有効期限と枚数の考え方
印鑑登録証明書そのものに有効期限はありませんが、提出先が「発行から三か月以内」「六か月以内」といった条件を設けていることがあります。この期限は窓口ごとに違うため、まとめてたくさん取ったものの、使う前に期限切れになって取り直し、ということが起こりがちです。おすすめは、手続き先の一覧を先に作り、それぞれの必要枚数と期限条件を聞いてから、必要な分だけ取得することです。
手続き先を洗い出すときは、通帳、届く郵便物、クレジットカードの明細が手がかりになります。毎月の引き落としから、ご家族が把握していなかった契約や支払いが見つかることもありますので、クレジットカード明細と継続支払いもあわせてご確認ください。
旭区で一日にまとめて動くときの順番
- 午前:旭区役所で除票や戸籍を必要枚数取り、印鑑登録証を返却する
- 午前:ご自身の印鑑登録がなければ、同じ窓口で新規登録する
- 昼:金融機関、保険、年金など手続き先を書き出して数を確定する
- 午後:各窓口へ電話し、必要書類と印鑑証明の期限条件を確認する
- 後日:必要枚数が固まってから、印鑑証明書をまとめて取得する
一日ですべてを終わらせる必要はありません。むしろ、枚数が分からないまま取りに行くほうが無駄が増えます。急ぐのは死亡届まわりと年金・保険の届出で、印鑑証明書は手続き先が見えてからで十分に間に合うことが多いです。
迷ったところは専門家と窓口へ
大阪セレモニーでは、大阪市旭区、千林大宮、森小路、関目高殿のご家族から、家族葬のご相談とあわせて、葬儀の後に残る書類の進め方についてもよくご質問をいただきます。印鑑や証明書の話は地味なようでいて、ここで止まると相続全体が動かなくなる部分です。遺産分割の内容や相続放棄といった判断そのものは、司法書士・弁護士・税理士、あるいは各手続き先の窓口にご確認いただく必要がありますが、「何から手をつけるか」「どの順番で回るか」の整理でしたらお手伝いできます。まだ何も決まっていない段階で構いませんので、事前相談・お問い合わせからお声かけください。