前々回のコラムから続く「居酒屋で出会った彼女」の最終編になります。彼女とのエピソードの中で最も印象的だった「見送り方」についてお話したいと思います。
彼女が勤務している特別養護老人ホームに、偶然にも私の友人の母親が入っておられました。友人は毎日通って一生懸命にお世話をし、その思いの深さは私にも周囲の方にも十分に伝わっていました。そしていよいよという時を迎え、親族が集まりました。友人は3人姉妹の長女。遠くに住む次女と三女も駆けつけ、お葬式の相談が始まりました。3人それぞれの思いがある中、友人は「お母さんを家に連れて帰って一晩一緒に過ごしたい」と胸の内を告白したところ、他の姉妹たちと意見が分かれてしまいました。私は第三者として「火葬場が混み合っているから一晩どこかで安置しないといけない」という状況を説明し、これまで長い間母親を看てきた友人の思いを後押ししました。その後、葬儀を無事に終え、友人は施設へ感謝の意を込めて「施設のボランティア登録」をしたそうです。
人生の最期には、これまで家族がどのように関わってきたのか、必ず人間模様が見えるものです。パッと見ただけでそれぞれの温度差が分かります。私自身も皆様も、素晴らしい人間模様だな、と思えるような生き方をしたいものです。
大阪セレモニー 家族葬ホール
大阪市旭区大宮1丁目5番28号